改修工事
お客様 | T様 | ||
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施工日数 | 2ケ月 | 費用 | 20,000,000円 |
完工年月 | 2012年10月 | エリア | 東灘区 |
建物形態 | 木造軸組み | リフォーム内容 | 全面改修 |
テーマ | 3つの部屋のある家 | ||
ポイント | 狭小住宅とよべるであろう、延べ床75㎡の住宅の改修である。 お施主様は、長年勤められた会社を定年退職され、当初は高層マンションを購入する予定であった。しかし、東日本大震災が起き、高層マンションに対する耐震性の不安から、長年の住まいを改修することになった。既存建物は、築15, 16年が経ち、時々雨漏りを繰り返し、老朽化していた。さらに、当時の設計では、ベランダが狭く、公道に洗濯物を干すため生活が前面道路まで溢れ、室内では、敷地面積に対し非常に広い玄関ホール、急な階段と室内にはみ出た数段の階段、2階にキッチンがあるのに、1階にしか冷蔵庫を置けなくなっている等の状態だった。 そこで、以下の3つの既存の条件をもとに、1階をLDK、2階を寝室、浴室、洗面室、3階に洋室を配置し、計画した。 既存の条件1:道路面より600mm上がった基礎→プライバシーを守り、開放感のあるリビング 1階のLDKの腰窓は、1階の床ラインから900mmほどの位置に設置した。これは、既存の基礎が道路面より600mm上がったところに位置していたので、室外側から見るとちょうど室内への視線を遮り、また室内側から見ると外の風景を見ることができる。このことで、室内のプライバシーを守りながらも、非常に室内を広く感じることが出来る窓配置となった。また、玄関ホールとLDKを間仕切る建具を2枚引き込み戸とし、季節のいい時はその建具を開け広げて、1階を大きいワンルームとして使えるようにした。 既存の条件2: 小さい窓→プライバシーを守る大きい窓 2階の寝室は、既存建物と同配置で、やや広くし、窓の位置を既存建物の位置からずらすことで向かいの建物からの視線を遮り、安心して過ごせる部屋とした。また、トイレを寝室の横に配置することで、これから年を重ねていっても、使いやすいようにした。 既存の条件3:住宅密集地域で、隣地に広い駐車場 →別荘の一室のような開放感のある部屋 住宅が密集している地域にありながら、西側に比較的大きい駐車場があった。このため開けた眺望を獲得できるようベランダは、3階の西側に設けた。これによって、いままで閉塞感のあった3階の洋室は、北に六甲山、南に神戸港、西に三宮を一望できる別荘のひと部屋のようになった。 前述の3つの条件によって、この住宅密集地の狭小住宅において、以下の3つの特徴ができる。 1:既存の高さを生かした腰窓の連続→プライバシーを守りながらも開放感を持つパブリックな空間 2:位置をずらし、前面建物からの視線を遮断→プライベートな空間 3:西面に大きな開口部→別荘のような空間 既存の3つの条件を生かし、3つの特徴をもつ空間を持ちながらも、各階を同様の素材や配色とすることで、全体として1つの家になることを目論んだ。 |
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お客様から一言 | ・近所の人が完成後大勢家を見に来てくれた。外から見るより、1階LDKが広いので、皆びっくりしている。 ・全ての要望を満たしてくれた。初めはどのような家になるか想像できない部分もあったが、想像以上の家に満足している。 ・長年住んだ家を改修したので、引っ越ししてすぐは新しい家に慣れるまで時間が掛かるかと思ったが、全てがぴたりとはまった。 ・昼間、日が差すと電気がいらないくらい明るくなった。 |
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担当者から一言 | 初めてお伺いしたときに、広い玄関ホールや、1階にしか冷蔵庫を置けないようなプランニングなど、既存の建物では、設計と生活がマッチしないように感じた。そのため、今回の改修工事では、1階にLDKと、2階に寝室、浴室、洗面室、3階に洋室を配置し、また、これから高齢になることを考慮して、生活に必要な要素のある部屋は1階と2階にもうけ、普段の生活は、1階と2階で過ごせるようにした。 |
- 施工前外観
- 施工前1階階段付近
- 施工前2階
- 施工前リビング
- 施工前平面図
- 施工中外観写真
- 3階屋根を一部取り壊したところ。前面に景色が広がる
- 西側からの外観
- 南側外観。御施主様のご希望により、窓廻りに縁取をとり付け、印象的な外観とした。
- 1階リビング
- 1階リビング
- 1階リビング。玄関とリビングを間仕切る建具は2枚引き込み戸とし、開放的なリビングになるようにした
- 2階洋室
- 2階洋室
- 洗面室から階段を見る
- 3階洋室。明るく、開放的な洋室
- 改修後平面図